札幌市内、及びその周辺で聞き取りをした在宅介護、在宅での看取りの体験記です。聞き取り時期は2014年8月から11月にかけて、お1人1回から3回にわたって、2時間から5時間の聞き取り内容をまとめました。全てお話を聞かせていただいた方に文章の内容確認をしていただきましたが、個人や居住地の詳細が分かる部分はあいまいな表現にしてあります。
本ページ内の図は下記を参考にご覧ください。
図上は看取り時期、図下は看取り時の年齢、介護に関しては年齢記入なし。
札幌市内、及びその周辺で聞き取りをした在宅介護、在宅での看取りの体験記です。聞き取り時期は2014年8月から11月にかけて、お1人1回から3回にわたって、2時間から5時間の聞き取り内容をまとめました。全てお話を聞かせていただいた方に文章の内容確認をしていただきましたが、個人や居住地の詳細が分かる部分はあいまいな表現にしてあります。
図上は看取り時期、図下は看取り時の年齢、介護に関しては年齢記入なし。
がんの進行の程度のことです。がん細胞の大きさやリンパ節への転移の有無、他臓器への転移の程度で決まり、その後の治療の目安となります。ステージの数字が大きいほど、がんは進行していることになります。
AHCC(Active Hexose-Correlated Compound活性化糖類関連化合物)は、1989年東京大学薬学部の岡本敏彦教授と㈱アミノアップ化学の共同研究によって開発された健康食品です。担子菌類の菌糸体を培養し、酵素処理、熱水抽出して得られる混合物です。がん患者による利用頻度の高い補完・代替療法の健康食品として医療現場でも用いられるようになっています。特に臨床の場で利用される食品としての科学的な安全性に関する検証は終了していて、化学療法剤との薬物相互作用の心配もないという研究結果も得られています。そのためがん治療においては化学療法と併用して用いられることが多いようです。そのほか「免疫調節作用」、「感染防御作用」、「抗炎症作用」が研究報告されていますが、作用機序の一部も明らかになりつつあるそうです。
参考
監修 細川眞澄男 『AHCCの基礎と臨床』 ライフ・サイエンス2003:4-5.
三浦健人、北舘健太郎、西岡浩「AHCCの基礎と臨床-最近の話題-」日本補完代替医療学会誌 第6巻第1号2009:1-7
AHCCを開発した㈱アミノアップは札幌市にありますが、毎年AHCCの効果と作用機序を科学的・学術的に検証している研究者がその成果を発表する国際学会も札幌で開催されています。
参考
AHCC研究会 http://ahcc.jpn.org/【 2015/5/8 】
介護度の認定は市町村の調査員が直接清田区を訪問して行います。74項目のチェック結果から、介護サービスの「要介護」度を以下の5段階に評価しています。
要介護度5 日常生活に全面的介助が必要、意思の伝達はほとんどできない状態
要介護度4 日常生活機能がかなり低下、入浴、着替えは困難で食事も介助が必要
要介護度3 自立歩行ができず、排泄や入浴、着替えに介助が必要
要介護度2 自立歩行が困難で、排泄や入浴に見守りや介助が必要
要介護度1 歩行が不安定ではあるが、排泄や食事はほとんど自分でできる
「要介護」ではなく「要支援」となったら、介護保険における介護予防サービスの対象となります。排泄や食事は自分でできますが、生活の援助を一部必要としている状態のことで、こちらも2段階に分かれています。自力では困難と思われる行為について、介護予防を目的としたサービスを受けることができます。歩行器などの福祉用具を指定業者からレンタルすることや、高齢者が自宅で自立した生活をおくるために行う小規模な改修費用の支給も得られます。
「要介護」、「要支援」のいずれも「非該当」となると、介護保険によるサービスは利用できません。(制度そのものの説明や、給付限度額等の解説は「知識の5分間充電」で。)
介護保険制度の導入で2000年にできた資格で、正式には介護支援専門員と言います。介護保険法には「要介護者等からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な居宅サービス又は施設サービスを利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者、介護保険施設等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有する者として政令で定める者」 (第79条第2項第2号) とあります。介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修を終了することで資格を取得できます。地域の福祉・介護を担う包括支援センターや介護支援事業所などに所属しています。
「排泄は人間の尊厳に関わります。自尊心の強い人ほどおむつになってしまったときの精神的打撃は大きく、みるみる生きる気力が衰えていきます。「トイレに行きたい」は、「私は生きている!」という叫びかもしれません。」(萬田,2013,164-165)
排泄は、介助活動の中でも自尊心を傷つけないようにしなければならない難しいケアですが、歩けるならトイレ、起き上がれるようならポータブルトイレを使用しましょう。その際は「プライバシーの保護」、「安全性の確認」、「羞恥心への配慮」を怠らないようにします。
参考
諏訪免典子『看取りケアの基本のスキルがよくわかる本』ぱる出版2012:121,133
認知症等で判断能力が不十分な人の援助制度のことです。法定後見制度と任意後見制度があり、前者は家庭裁判所で選ばれた成年後見人が本人の利益を考え本人に代わって契約などの法律行為を行い、本人を保護、支援します。また任意後見制度は本人がまだ判断能力のあるうちに、任意に後見人を選び、判断能力が低下したときの療養看護や財産管理の代理人としての契約を公正証書で結んでおくものです。
参考
法務省 http://www.moj.go.jp/【 2015/5/1 】
血流の傷害で起きる床擦れは寝たきりの患者や身体の向きを変えられない患者の圧迫がかかりやすい腰、かかと、肘、臀部の骨の突出部にできる壊疽のことで、皮膚が壊死し傷口がただれて潰瘍になることもあります。介護者は定期的に体位交換の介助をして、特定の部位の血流が滞る循環障害の発生を防ぐようにします。
また乾燥した皮膚が刺激に弱くなって床擦れが起こることや、排出物で汚れ、湿ったままになっている部分に起こることもあります。防ぐためには保湿剤を塗布することや、患者の清潔への留意が必要ですが、最も基本的なことは患者の皮膚やその変化を常に観察しているということではないでしょうか。
「閉じ込められた液体の一部に加えられた圧力は、全体に均等に伝わるという“パスカルの原理”により、重い腰の部分が沈み込むこともなく、背骨は自然なカーブを描き、人体を凸凹に保ったまま各部を同じ力で支えることにより、快適な深い睡眠を得られる」ベットのことだそうです。
参考
Water World http://www.water-world.jp【 2015/5/9 】
整形外科や整骨院をはじめとした医療関係機関においては、水圧によるマッサージ効果が得られ、水に浮くような形になので体圧が分散できるということで物理療法の道具として使用していると聞きます。一般的には寝るときに身体を支える部位にストレスがかからないため、寝返りの回数が減り、熟睡が期待できると言われています。もちろん介護においては床擦れ、褥瘡予防に効果が期待できるベットです。
がんによる痛みの治療は1996年にWHOが標準的な治療法を発表しています。今ではそれに基づいて行われるのが一般的です。軽い痛みにはロキソニンなどの解熱鎮痛剤が、中等度の痛みには比較的弱い麻薬性鎮痛薬が、それで不十分な場合は強い麻薬性鎮痛薬が用いられます。専門の医師の指導のもとで使用するなら麻薬性鎮痛薬も安全で有用性が高く、痛みに対して使用する場合は、薬物依存は起こらないと言われています。疼痛治療が行われることで苦痛が軽減され、生活の質が高まるのです。
麻薬性鎮痛薬には内服、貼付薬、座薬、注射薬があります。貼り薬は皮膚から体内に吸収され全身に効くもので3日に一回の交換で管理が容易です。モルヒネが含有されている座薬も強力な鎮痛作用があり、即効性もありますが、効き目は8時間程度です。
参考
監修 佐々木淳『家族のための在宅医療実践ガイドブック』幻冬舎2012:250-261
24時間以内に医師の診察を受けていないと死亡後警察に届け検視をしてもらわねばならないとよく聞きますが、どうやらそれは誤解のようです。「日常診察をしていて、予想される疾患で亡くなった場合には、医師は死亡診断書が書ける」(中野,2012:100-101)のだそうです。「ホームドクターが定期的に訪問診療していれば、たとえ死亡の瞬間にその場に立ち会っていなくても、死亡から24時間以内に往診して死亡診断すれば、通常の病死として処理され」、「解剖の必要もない」(平野,2011:229)ということです。
ただしホームドクターが定期的に診察していない場合は犯罪性のある「犯罪死」は「司法解剖」が行われ、犯罪性のない「異常死」の場合は「行政解剖」が行われ死因の特定が実施されます。
余命診断は技術としては未だ未確立です。患者の病状と医師の治療経験からの予測がほとんどだそうです。がん患者の場合は科学的根拠からはじき出された生存率を利用しますが、それ以外の疾患に関しては余命診断用のデータはほとんどないのが現状だそうです。(萬田,2013:152-153)
在宅療養では医師が定期的に状態把握のために患者の自宅を訪問して診療をします。診療報酬は在宅医療の場合高く設定されており、質の高い24時間対応の在宅医療のためには最低2週間に1回の定期診療が必要とされているようです。定期的訪問診療が充実していると的確な医療判断ができるからだそうです。(中野,2012:26-27)
訪問診療は「医師が診療計画を立て、その計画に基づいて定期的に在宅ケア(在宅での医療)をする」ことを意味し「患者さんの危急の求めに応じて訪問する昔ながらの往診」とは異なります。(平野,2011:4)
介護保険の事業には①保険給付と②地域支援事業、③保健福祉事業がありますが、②の地域支援事業における包括的な支援を行うのが地域包括支援センターです。「地域住民の心身の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上と福祉の増進を包括的に支援する」場です。職員として保健師(看護師)、主任ケアマネージャー、社会福祉士の3専門職がいます。住民2万人の人口とその生活圏域が考慮されて、全国5000箇所の設置が目指されています。
参考
牛越博文『介護保険のしくみ』日本経済新聞社 2005:85-86
高室成幸『よくわかる地域包括支援センター 必携ハンドブック』株式会社法研 2005:36-39
終末期で、様態が悪化した状態で在宅を始める場合は、介護保険の認定前でも暫定的に介護サービスを受け始めることができます。
保険によってどのような居宅サービスを行うかという計画書のことで、ケアマネージャーが利用者の居宅を訪問し、本人、及びその家族にとって最も適切なサービを組み合わせて作成されます。サービス開始後は少なくとも月に一回ケアマネージャーが居宅訪問をして実施状況の把握や必要に応じた変更計画を立てます。
参考
牛越博文『介護保険のしくみ』日本経済新聞社 2005:144-145
1999年に導入された介護休業制度は、介護がしやすいように短時間勤務や休みを与えることを企業等に義務付けるものです。要介護状態の家族一人に対して1回、通算93日間までとることが出来ます。休みを取得したことで、解雇等の不利益な扱いをすることは禁じられています。賃金は雇用保険から4割が出ます。
国は増加する「介護離職」者を少しでも減らそうと2009年に介護休業法を改正し、2010年から介護休暇の制度を導入しました。こちらは賃金の補償はありません。要介護状態の家族1人に対して1年で5日間まで取得が可能です。2014年秋から、総務省はこれらの制度見直しのために研究会を立ち上げています。
参考
厚生労働省「男女雇用機会均等法 育児・介護休業法のあらまし」リーフレット:9-10
シルバー人材センターは、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得、地域社会の活性化に貢献するための組織で、原則として基礎自治体に設置されています。仕事を求める高齢者会員と働き手を求める発注者を結び、発注者は仕事の完成後、センターに対して契約に基づく代金を支払います。働いた会員はセンターから「配分金」(報酬)をもらいます。
参考
公益社団法人シルバー人材センター事業協会 http://www.zsjc.or.jp/【 2015/4/25 】