2012年8月に成立した社会保障制度改革推進法(日法律第 64 号)は、持続可能な社会保障制度を確立するために、公的年金や医療保険、介護保険、少子化への対策等の各分野における制度改革の基本手は方針や、改革に必要な事項を審議する社会保障制度改革国民会議の設置について定めた法律です。その第6条の3に「医療の在り方については、個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること」と明記されました。
社会保障制度改革国民会議は2012年11月に野田政権下でスタートし、安倍政権下の2013年8月までに20回開催され、高齢者に手厚いとされる現在の社会保証制度をすべての世代が、その能力に応じて支え合う全世代型の社会保障へと変換する必要性が提言されました。また報告書では、これまでの日本の医療制度の特徴であったフリー・アクセスを「必要な時に必要な医療にアクセスできる」という意味に理解し、これを守るためには緩やかなゲートキーパー機能を備えた「かかりつけ医」の普及が必須であると提言しています。より専門のより高度な医療へのアクセスはこの「かかりつけ医」を通して行うことになるわけで、フリー・アクセの意味は180度転回をしたことが分かります。
参考資料
● 社会保障制度改革国民会議 「社会保障制度改革国民会議報告書 ~確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋~」 2013
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/pdf/houkokusyo.pdf